台湾のカバラン蒸溜所が、ブランド初となるエイジステートメント(年数表記)付きのシングルモルトウイスキー「カバラン 15年」を発表しました。
このボトルは、蒸溜所の「Time Exploration(時の探求)」シリーズの一環としてリリースされ、台湾におけるウイスキー造りの歴史的な瞬間を記念するものとなっています。

「カバラン 15年」– 4種類の樽による奥深い熟成

カバラン 15年は、エクスバーボン樽、オロロソシェリー樽、ルビーポート樽、パンチョン樽の4種類で熟成。これにより、多層的でバランスの取れた味わいが生まれています。
カバランのCEO、YT・リー氏は、このリリースについて次のように語っています。
「カバランの高熟成ウイスキーにふさわしい、驚くべき奥行きとバランスを持つウイスキーを目指しました。そのため、それぞれの樽の特性を最大限に引き出し、完璧な調和を生むための4樽ブレンドを採用しました。」
アルコール度数は43%、グローバルで30,000本限定のリリースとなります。
テイスティングノート

香り
キャラメル・アップル・ムース、フレッシュ・チョコレート、クルミのシナモン・ロール、クリーミーなポップコーンの魅惑的なアロマに、ドライ・タンジェリン・ピールとプラムのほのかなニュアンスが絡み合います。フィニッシュには、トフィーと黒ナツメヤシ(ブラック・デーツ)の甘さが広がり、温かく耽美な甘みが呼び起こされます。
味わい
ベルガモット、レモン、オレンジ、グレープフルーツのみずみずしい柑橘系のアロマが、ドライ・クランベリー、レーズン、リュウガンの甘いささやきとともに踊り、ダーク・チョコレートのジェラートとキャラメル・ウォールナッツ・コーヒー・ムースのベルベットのようなノートに展開していきます。
フィニッシュ
ウッディなシナモンスパイスが心地よく続く
カバランの特徴であるなめらかでリッチな口当たりと、台湾の亜熱帯気候による力強い熟成感が際立つ仕上がりとなっています。
デザイン – 時の融合を表現したパッケージ
「カバラン 15年」のボトルは、4種類の樽の融合を表現するデザインが施され、ナチュラルウッド調のパターンが刻まれています。
また、ゴールドフォイルのカバランロゴがラグジュアリーな印象を加え、洗練された雰囲気を演出しています。
このデザインは、熟成の過程で生まれる時間の積み重ねと職人技を象徴するものとなっています。
販売情報
- 商品名:「カバラン 15年 シングルモルトウイスキー 2025 エディション」
- アルコール度数:43%
- 容量:700ml
- 限定本数:30,000本
- 価格:公式発表なし
- 販売開始:2025年3月11日
- 販売チャネル:カバラン蒸溜所ショップ、カバランウイスキーショップ、ウイスキーバー、および一部の台湾国内酒販店
カバランの進化 – 15年の歩み

2005年に設立されたカバラン蒸溜所は、台湾のイーラン県に拠点を置き、亜熱帯気候を活かした独自の熟成技術で世界的に評価を受けてきました。
雪山の雪解け水を源泉とし、強烈な湿度と暑さの中で熟成されたウイスキーは、海風や山風の影響を受けて、さらに美味しくなります。
カバランはすでに多くのシングルモルトを発表していますが、これまで年数表記を行わず、熟成の個性と樽の影響に重点を置いたボトリングを行ってきました。今回の15年熟成は、その熟成の極みを明確に示す、新たなステップとなります。
また、カバランは最近、「ソリスト」シリーズの最後の1本としてパロコルタドシェリーカスク熟成ウイスキーを発表し、さらにロッテ免税店限定の「グランドリザーブ」シリーズも展開するなど、プレミアム市場での展開を拡大しています。
2006年3月11日、台湾初のウイスキーとして誕生したカバランですが、19年近く頑なに年数表記は出しませんでした。熟成環境の問題、短熟向きな原酒と、色々理由はありましたが、なんだか時代が変わってきた印象を受けますね。