バッファロー・トレース蒸溜所が手がけるウェラーシリーズから、新たに「Weller 18 Year Old」が登場します。
シリーズ初のストレート・ウィート・ウイスキーであり、18年という長期熟成を経た特別な一本となっています。
ウェラーシリーズとウィーテッド・バーボンの違い
これまでのウェラーシリーズはすべて「ウィーテッド・バーボン」でした。
言わずもがなバーボンとは、トウモロコシを51%以上使用したウイスキーのこと。
しかしウェラーシリーズは一般的なバーボンで使われるライ麦の代わりに小麦を使用することで、スムースで甘みのある味わいを特徴としています。
たとえば、「Weller Special Reserve」は約76.5%のトウモロコシ、20%の小麦、3.5%の大麦麦芽を使用していますが、これはあくまでバーボンのカテゴリーに属します。
しかし、新たにリリースされる「Weller 18 Year Old」は、小麦を51%以上使用することで「ストレート・ウィート・ウイスキー」という新しいカテゴリーに分類されます。
この違いにより、今までのウェラーとは一線を画す、全く新しい味わいが期待されます。
Weller 18 Year Oldの特徴
今回のリリースについて、バッファロー・トレース蒸溜所は以下のように発表しています。
「ウィリアム・ラルー・ウェラーは1849年、24歳の若さで家業を受け継ぎ、ウィーテッド・バーボンの製法を確立しました。1860年には弟のチャールズを、18年後には息子たちを迎え、ウィスキー造りへの情熱を家族とともに深めていきました。この歴史に敬意を表し、初めてのエイジステート(熟成年数表示)付きウィート・ウイスキーとして「Weller 18 Year Old」をリリースします。グリーンアップルや熟したフルーツの複雑な甘みが特徴で、長期熟成による奥深い味わいが楽しめます。」
アルコール度数は45%(90プルーフ)で、ウェラーシリーズのなかでも飲みやすい度数設定となっています。
ウェラーの歴史と影響
ウェラーはもともと、1849年にウィリアム・ラルー・ウェラーによって創業されたブランドです。彼は当時の主流であったライ麦を使用しない「ウィーテッド・バーボン」の製法を開発し、それが後の「パピー・ヴァン・ウィンクル」などの伝説的なバーボンへとつながっていきました。現在、ウェラーシリーズはバッファロー・トレース蒸溜所によって生産されており、「Weller 12年」や「Antique 107」「12年」「フルプルーフ」「C.Y.P.B.」などの銘柄は世界的に高い人気を誇ります。
特に「ウェラー12年」は同じ蒸溜所で造られる「パピー・ヴァン・ウィンクル」と共通のレシピを持つことから、近年では入手困難なボトルとなっています。
ウィート・ウイスキー市場への影響
近年、ウィーテッド・バーボンの人気が高まる中、ウィート・ウイスキー(小麦51%以上)というジャンル自体はまだ珍しい存在です。これまでのウィート・ウイスキーとしては、ヘブンヒルの「バーンハイム・オリジナル」や、いくつかのクラフト蒸溜所による限定リリースがある程度でした。しかし、バッファロー・トレースのような大手がこのカテゴリーに本格参入することで、今後ウィート・ウイスキーの市場が広がる可能性があります。
「Weller 18 Year Old」は、2025年内にリリース予定となっており、バーボン愛好家だけでなく、ウイスキーの新たな可能性を探る人々にとっても注目の一本となるでしょう。