世界的なスピリッツ企業ディアジオが、プレミアムブランドや希少樽、スペシャルな蒸溜所体験を一つにまとめた新部門「Diageo Luxury Group(ディアジオ・ラグジュアリー・グループ)」を発足。
この新グループは、同社の高級スピリッツ戦略をリードし、国際的なラグジュアリーマーケットでの成長を加速することを目的としているようです。
高級スピリッツ市場における戦略的展
「Diageo Luxury Group(ディアジオ・ラグジュアリー・グループ)」は、販売価格が100米ドル(約15,000円)以上のブランドを中心に展開し、高級市場でのプレゼンスを強化する予定です。
グループの責任者には、ジョニーウォーカーの元グローバルブランドディレクターであるジュリー・ブラムハム氏が就任。
彼女は次のように語っています。
「この新グループは、当社が誇る最上級の資産、ブランド、そして才能を結集し、伝統を守りながら未来志向の成長を実現するものです。」
この新組織は、ディアジオの販売、マーケティング、商戦チームから選抜された精鋭メンバーで構成され、ラグジュアリー戦略の策定と実行を担当します。
また、イギリス市場向けに「Diageo Luxury Company(DLC)」も同時に設立。DLCは地元の高級ブランドを推進し、30ポンド(約5,000円)以上の商品を対象とした幅広い価格帯での展開を目指します。
ブランドホームとレアなウイスキー在庫
「Diageo Luxury Group(ディアジオ・ラグジュアリー・グループ)」は、ディアジオが保有する15のブランドホーム(蒸溜所訪問施設)や、ウイスキー体験の提供も管轄します。
その代表例として、スコットランドのエディンバラにある「Johnnie Walker Princes Street」が挙げられます。この施設は、すでに141カ国から100万人以上の訪問者を迎えています。
さらに、スコットランドの蒸溜所で保管されている1,000万以上の樽も管理対象に含まれます。
その中には、ブローラやポートエレンといった、かつて閉鎖され現在は非常に希少価値が高い蒸溜所で生産された樽も含まれており、ラグジュアリー市場での強みとなっています。
ジャスティアリーニ&ブルックスや旅行市場へ注力
ディアジオは、ロンドンのバーリントン・アーケード41番地に店舗を構える高級ワイン&スピリッツ商社「Justerini & Brooks(ジャスティアリーニ&ブルックス)」も重要な柱としています。ここでは、プレミアムワインやウイスキーの販売が行われており、エリート層をターゲットにした展開が進んでいます。
また、成長市場として注目される旅行市場(トラベルリテール)や新興国市場へのさらなる展開も視野に入れています。最近ではインドネシアなどでの事業拡大を行い、グローバルなプレゼンスを強化しています。
ディアジオが本気で高級路線に舵を切る
ディアジオのデータによれば、ラグジュアリースピリッツの需要は国際的に拡大しています。「ディアジオ・ラグジュアリー・グループ」は、このトレンドを活用し、従来のラグジュアリーマーケットの枠を超える新たな物語を作り出すことを目指しています。
ジュリー・ブラムハム氏は次のように締めくくります。
「私たちは、ディアジオの最も貴重な資産を活用し、伝統と未来志向を融合させることで、ラグジュアリースピリッツ市場を牽引する存在となります。この新しい部門がもたらす未来が非常に楽しみです。」
ディアジオのこの新たな動きは、世界中のウイスキー愛好家やコレクター、さらにはラグジュアリーマーケット全体にとって、一大ニュースとなりそうです。