スウェーデンの蒸溜所、マックミラ(Mackmyra)が破産申請を行いました。
このニュースは、同蒸溜所が設立25周年を迎える年に発表されました。
25年の歴史に幕
マックミラは、2024年8月19日にゲブレ地方裁判所に破産申請を行ったことを公式ウェブサイトで確認しました。今後、裁判所によって破産管財人が任命される予定です。
マックミラの取締役会会長であるペッター・スキー氏は、声明の中で次のように述べています。「非常に残念なことに、会社の運営を続けることができないという結論に至りました。経営陣と取締役会は、会社の収益性とキャッシュフローを改善するために懸命に努力しました。スタッフと経営陣も素晴らしい仕事をしてくれたと思います。それでも継続は不可能でした。」
さらに、「私が取締役会会長に就任してから1年あまり、経営陣と共にマックミラの長期的な解決策を見つけることに焦点を当ててきましたが、時間が足りなかったことを痛感しています。破産管財人が今後、会社の価値を活かし、マックミラブランドとその25年の歴史を守るために建設的な手段を講じることを心から願っています」と続けました。
マックミラは、1999年に設立されたスウェーデン初のウイスキー蒸溜所であり、2024年で25周年を迎えます。元マスターブレンダーのアンジェラ・ドオラジオ氏は、2019年にウイスキーマガジンの殿堂入りを果たしました。
暫定CEOであるパトリック・ビョルシュ氏も、「この決定は、当社のスタッフ、応援していただけるお客様、そしてアンバサダーにとって非常に残念なものです。特に、25周年を迎えるこの節目に、このようなことが起きたことに対しては、無念としか言いようがありません。」とコメントしました。
このニュースは、マックミラが数日後に、新しいディストリビューターであるサマートンを通じて英国市場に再参入する直前に発表されました。
マックミラ蒸溜所の概要
マックミラ蒸溜所は、スウェーデン初のウイスキー蒸溜所として1999年に設立されました。スウェーデンのゲブレ地方に位置し、ユニークな地元の自然資源と気候を活かしたウイスキー製造を行っています。2002年に初めてウイスキーを蒸留し、2011年には「グラビティ蒸溜所」と呼ばれる新しい施設を稼働させました。この新しい施設は、7階建ての塔の形をしており、内部プロセスに重力を利用することでエネルギー使用を45%削減しています。
製法としては、30リットルの小樽での熟成を特徴とし、その結果、非常に速い熟成プロセスを実現しています。また、蒸溜所は「フォーサイス」社製の中型の銅製ポットスチルを使用しており、これによりスコッチウイスキーに近いスタイルを維持しつつ、スウェーデンならではの風味を生み出しています。
日本での評価
マックミラはそのユニークな製法と風味が、一部のウイスキー愛好家やコレクターの間で注目されていました。
フェスをはじめ、バーなどでもちょこちょこ飲まれており、特にスウェーデン音楽好きには親しまれていました。
スウェーデン産のクラフトウイスキーとしての、珍しさが先行していた印象ですが、そこそこ長期熟成品もリリースされはじめ、評価が上がるかと見込まれていました。ただスコッチやジャパニーズウイスキーほどの知名度はなく、限られた供給量のなかやりくりしていた印象です。
モーターヘッドやスコーピオンズといったバンドとコラボレーションしたウイスキーをよく発表していましたね。ロックイベントとの限定ボトルなども発表していました。
初蒸溜は2002年だったかな。
ボトラーズ(シングルカスクネーション)などから、リリースもされはじめた矢先でした。急なお知らせで残念です。