アイラ島を拠点とするポートエレン蒸溜所のリニューアルオープンが3月に迫りました。
これを先駆けて、ディアジオ社は44年熟成のポートエレン2種を限定発売することを発表しました。
その名も「ポートエレン・ジェミニ」。
使用されるウイスキーは、1978年に蒸留されました。3つのヨーロピアンオーク樽で熟成、その後、モルトを分割して2つの異なる方法で熟成されました。
ポートエレン・ジェミニ・オリジナル
ポートエレン・ジェミニ・オリジナル(アルコール度数54.9%)は、ヨーロピアンオーク樽でさらに熟成させたシングルモルト・スコッチウイスキー。
1978年から手つかずという、この希少なウイスキーは、滑らかで甘く、塩味があり、スモーキーな特徴があり、ポートエレンの特徴的なハウススタイルを存分に味わうことができます。
ウイスキー専門家のチャールズ・マクリーン氏はこのリリースについて、「このエクスプレッションには古典的なポート・エレンの特徴があり、その熟成年数の割には驚くほど高い強度が香りと味の両方に活力を与えている」と述べました。
ポートエレン・ジェミニ・レムナント
ポートエレン・ジェミニ・レムナント(アルコール度数53.6%)は、レムナントカスクでさらに熟成させたシングルモルト・スコッチウイスキー。
どの蒸溜所にもあるレムナントカスクは、充填時に余ったスピリッツを計量するために使用されています。ポートエレンのレムナントカスクは、同蒸溜所の最も歴史的なウイスキーのいくつかに触れてきた可能性が高く、今回の最新リリースの最終仕上げにも使用されています。
この樽は1983年のポートエレン閉鎖時に、アイラ島の蒸溜所のグループによって大切に保管されていたそうです。
40年間保護されていたこの樽を回収し、再シーズニング、そして44年物のポートエレンに革新的なフィニッシュを行い、新たな生命を吹き込まれました。このフィニッシュにより、ウイスキーに海塩、スモーク、ドライフルーツ、オークの黄金色の衣をまとわせると言われています。
マスターブレンダーのクレイグ・ウィルソン氏は、「ポートエレン・ジェミニ」の発売について、蒸溜所の再開とその新たな未来を祝う特別なウイスキーと説明しています。
彼は、このウイスキーが伝説のような本物の味わいを持ち、1978年に蒸留された珍しいウイスキーから生まれた2つのユニークなウイスキーを世に送り出す前例のない試みだと述べました。
さらに、ウィルソン氏は「ポートエレン・ジェミニ」が、オリジナルのウイスキーとそれをさらに熟成させたウイスキーの2つのバージョンを提供することで、ウイスキー愛好家に新旧の味わいの比較を楽しんでもらうことを目的としていると述べています。特に、30年以上の時を経て修復された特別なカスクで仕上げられたウイスキーは、ポートエレンの長い歴史と新しい章への橋渡しとなるものだと強調しています。
ポートエレン・ジェミニは、限定274セットの販売。鏡張りの特殊ケースにクリスタルデカンタで収められています。
希望小売価格45,000ポンド(約830万円!)で、3月に一部の専門小売店から発売予定。