スペイサイドの雄『ロングモーン』が独立ブランドとして新発売するというニュースが入ってきました。
これまで『シークレット スペイサイド』コレクションのライナップの一つとして扱われていたロングモーンが独立してパッケージングされるようです。
発売されるのは「ロングモーン 18年」と「ロングモーン 22年」。
2024年2月5日(月)から数量限定発売とのこと。
リニューアルパッケージ「ロングモーン」の特徴
18年以上の熟成
全てのポートフォリオで長期熟成された希少価値の高い製品のみがリリースされます。
現時点でも最高のアメリカンオーク樽を使用
ロングモーン蒸留所のスピリッツを最大限に活かし、スペイサイドの華やかなスタイルを表現するために、厳選されたアメリカンオーク樽とホグスヘッド樽を使用しています。
シングルバッチ&アニュアル・リリース
年に一度のみボトリングされ(シングルバッチ)、毎年新しいバッチが発売される(アニュアル・リリース)で、愛好家に向けコレクション性の高い商品になっています。
カスクストレングス&ノン・チルフィルタード
カスクストレングス(加水をせず樽出しそのままのアルコール度数)、冷却濾過をしないノン・チルフィルタード製法を採用。
【新ロゴおよび新パッケージデザイン】
また、新しいパッケージデザインは20世紀初頭のアールデコ様式にインスパイアされており、創業者によって建設された鉄道をモチーフにした新しいロゴと共に、ラグジュアリーな鉄道旅行を思わせるデザインに仕上がっています。
アルコール度数は未定ですが、写真を確認する限り、第一弾は18年が57.6%、22年が54.5%と見えます。楽しみ。
最近カスクストレングスのロングモーンってなかなかないし、買いそろえて20年待つのも面白い。
ロングモーン18年の味わいと香り
スペイサイドスタイルを忠実に再現したシングルモルト
<テイスティングノート>
香り
トフィーアップル、ハニーケーキ、バタースコッチの芳しい香りと、クリーミーなバニラカスタード、ココナッツケーキの優しい甘みが重なり合う。
味わい
濃厚なソフトキャラメル、新鮮なマンゴーとアプリコット、ラズベリークリーム、蜂蜜とミルクチョコレートが絶妙なバランスを奏でる。
フィニッシュ
ほのかに甘く、フルーティーでクリーミーな余韻。
発売日:2024年2月5日(月)
※お取扱い開始日は各お取扱い企業様によって異なります。
※数量限定につき、なくなり次第販売終了。
価格:オープン価格 / 参考小売価格:37,125円(税込)
アルコール度数:度数はバッチナンバー毎に異なります。(カスクストレングス)
容量:700ml
ロングモーン22年の味わいと香り
洗練されたスペイサイドのクラシックスタイル、より一層豊かで深い味わい
<テイスティングノート>
香り
マダガスカル産バニラ、クリーミーなトフィー、ヘーゼルナッツのプラリネが、フルーティーなレモンシャーベット、ピリッとしたオレンジの皮、シロップ漬けのポーチドペアーと複雑に絡み合う。
味わい
バニラボンボン、ビクトリア・スポンジケーキ、ハチミツの花の香りに、果樹園のフルーツとフィレンツェ風ビスケットが幾重にも重なる。
フィニッシュ
甘くなめらかな、長い余韻。
発売日:2024年2月5日(月)
※お取扱い開始日は各お取扱い企業様によって異なります。
※数量限定につき、なくなり次第販売終了。
価格:オープン価格 / 参考小売価格:59,400円(税込)
アルコール度数:度数はバッチナンバー毎に異なります。(カスクストレングス)
容量:700ml
ロングモーンの概要&これは飲んでおけ!
「スペイサイドの隠れた宝石」と呼ばれる実力派の銘酒、ロングモーン。
おさらいしておきましょう。
スコットランドのスペイサイド地方でつくられるシングルモルトウイスキーで、スムースな飲み口、フルーティで華やかな風味、スペイサイドを代表する素晴らしいブランドですが、日本での知名度は決して高くなく、どちらかといえばマイナーな部類に入ります。
ただ昨今、日本のウイスキーの父と言われる「竹鶴政孝氏」が最初にウイスキーづくりを学んだ蒸溜所として知られるようになりました。
産業革命真っ只中の1894年、創業者ジョン・ダフが彼のウイスキーを遠く離れた土地へ届けるために蒸留所専用の鉄道を建設して以来、戦争や不況の苦難を乗り越え、130年にわたり一度も蒸留所の稼働を止めずにウイスキーを真摯に造り続けています。
野心・献身・クラフトマンシップの3つを原則とし、その比類なき洗練と卓越したエレガンスを備えた味わいは、世界中の蒸留家やブレンダーなどから世界屈指の品質と敬愛され続けています。
ブレンデッドウイスキーとしても供給されており、過去にはクィーン・アンやサムシング・スペシャル、現在はシーバスリーガルやロイヤルサルート、100パイパーズ、パスポートなどを支えるトップドレッシング(ブレンダー用語で、より深みと奥行きを与える最上のモルト)のひとつです。
ロングモーン ザ・ディスティラーズ・チョイス
まずは飲んでみて!
こちらは2016年1月に発売された、ロングモーンの新シリーズ。
年数表記の無いノンエイジボトルとなります。
香りは軽やかで若草のような爽やかさ、バニラの甘みと杉の材木のようなエステリーさ。奥に若干の柑橘系。
干しイチジクはシェリー樽の影響か。
味わいもライトでクリーミーな飲み口、レーズンとミルクチョコレート。中間から麦芽クッキー、加糖したコーヒー、キャラメル、余韻は杉の粉のようなスパイシーさが程よく続きます。
アタックにやや若さが感じられますが、ライトでドライな口当たりが好きな方はストレートでも美味しく頂けます。
ロングモーン 16年
おすすめ!
近年廃盤となった以前のフラッグシップ的ボトル。
ボトルネックから飛び出したマフラーのような金属タブがとてつもなくかっこよく、ボトルだけでも保管しておきたくなるビジュアルをしています。
香りは洋ナシのマーマレード、バナナ、メープルシロップ、オーク材の古い家具。うっすらとシェリー。クッキーのような柔らかくて甘い麦芽。
若干オイリーでとろみを感じるボディ、ジューシーなリンゴとオレンジピールの柑橘感。ミントのハーブ感、後半にオークのスパイシーさが訪れます。
16年熟成が紡ぎだす、シナモンやジンジャーなどのスパイシーさが余韻に感じられ、バランスが良いだけでなく、クセになるポイントをしっかりと組み込んだニクいボトルです。
ロングモーン 18年
おすすめ!
ペルノ・リカール・グループが保有するスコットランド・スペイサイド地方のウイスキー蒸留所の中から、18年以上の熟成年数を誇るシングルモルトウイスキーを精選した『シークレット スペイサイド』コレクション。
「キャパドニック」、「グレンキース」、「ブレイズ・オブ・グレンリベット」、そして「ロングモーン」が発表されました。
こちらはアメリカンオークバレル&ホグスヘッドで熟成した18年物のロングモーン。
アタックはやや強い。香りはフレッシュでフルーティー。やや酸味のある若い桃、パイナップル。ホワイトオークのアロマ。
味わいはロングモーンらしい粘性のある口当たり。コクがあり歯ごたえがある。
マンゴーとアップルパイ。バニラアイスを添えたホットケーキ。
フィニッシュはドライでオーク材のスパイシーさがある。余韻はミディアムショート。
開けたてなので、まだまだ溌溂としていました。開栓後1か月くらい待ってみたいですね。
ロングモーン 23年
アメリカン・オークバレル、ホグスヘッドで熟成した23年もののロングモーン。
香りはミルクチョコレート、熟した洋ナシ、ラズベリー、中国茶(白茶)。やや酸味が強く、ゴムのようなニュアンスが少しある。
オイリーなテクスチャでアタックは穏やか。熟した洋ナシと甘い赤リンゴ、レモンキャンディ、クリームパイ。
後半は乾燥した木材とジンジャーのスパイス、カンゾウ、オレンジピール。
余韻はやや収斂味のある渋い味わいで、下に張り付くように残る。
18年よりアルコールアタックは感じませんが、なんだかチグハグなバランスだなと思いました。
2016年頃に同じく48度でオフィシャルから23年物がリリースされており、確かジム・マーレ―が93ポイントつけていましたが、こちらも愛好家達には「?」が多いようです。
23年はロングモーンの鬼門なのか!
ロングモーン 25年
アメリカンオークバレル、ホグスヘッド、バットを使用した25年物。
編集部未飲のため、オフィシャルより転載します。
熟したプラム、フレッシュな桃と、香り豊かなサルタナやシナモンの香り、驚くほど甘く、スパイシーな風味に、赤リンゴやマンダリンオレンジ、
ロングモーン 15年(旧ボトル)
オークションで見かけたら一本抱えても面白いボトル。
こちらは90年代に流通した当時のフラッグシップ的ボトルです。
1980年代はトールボトルでもっと素朴なラベルでした。
香りはベイクドオレンジ、焼きたてのクロワッサン。徐々にプラムやレーズンのフルーティさ、タンニンが強いブドウ。
味わいは滑らかな口当たり、粘性は強いが現行品よりはシャープ。
ボディが厚く、アプリコットジャム、甘みのあるミルクコーヒー、キャラメル、充実した濃い味わいです。フィニッシュにはシナモンアーモンドとコショウ、赤ブドウの皮。ややサルファリー。
フルーティな酸味と長めのオーキーな余韻が楽しめるボトルで、ロングモーンのハウススタイルがよく出ていると思います。
そして熟したサルタナが調和した味わい。余韻はドライさが感じられる。
長くなりましたが、ロングモーンの紹介でした。
キャパドニック、ロングモーン、グレンキース、ブレイズ・オブ・グレンリベットの4つの蒸留所で構成されていました。