バッファロートレース蒸溜所はこれまでで最古のイーグルレア、「イーグルレア25年」を発表しました。
このリリースは、熟成年数の記録更新だけでなく、数十年前に同蒸留所が始めた実験的熟成プログラムの極めて重要なマイルストーンとなりました。
バッファロートレースが2,000万米ドルを投資したと言われる実験的熟成プログラムでは、2つの倉庫XとPで、紫外線、温度、湿度、気流を使った実験が行われました。その目的は、過剰な熟成の落とし穴を避けること。ケンタッキー州の温暖な気候のもとでは、ウイスキーがタンニンの多い、ウッディでドライな風味になりすぎるのです。これを防ぐのが目的でした。
さらにアメリカンウイスキーが冷涼な気候で熟成されるスコットランドウイスキーと同程度の熟成期間に耐えることができるのか?を判断する実験でもあったようです。イーグルレア25年は、バッファロートレースの実験的なウェアハウスPからの最初のリリースとなります。
バッファロートレースのマスターディスティラーであるハーレン・ウィートリー氏は、このウイスキーは通常よりもずっとスムースで、古いアメリカンウイスキーの好ましい風味を持っていると述べています。
「イーグルレア25年は、従来のバーボン熟成の限界に挑戦しています。ケンタッキーでウイスキーを製造すると、時間が経つと2つの反応が起こります。蒸発でより多くの液体が失われることと、樽からのフレーバーの抽出が強くなることです。倉庫Pのユニークな熟成条件により、抽出を滑らかにし、25年熟成バーボンをつくることができました」
イーグルレア25年を生み出した「一連の熟成条件」について、バッファロートレースから正確な情報は明かされていません。しかし、限定テイスティングセッションでこのウイスキーを試した愛飲家は、スコッチウイスキーのような滑らかさと、ソフトなタンニンを感じたと述べています。
公式テイスティングノートでは、香りには強烈なチェリー、オーク、ダークチョコレート、アイシングの霧雨の香りが感じられ、味わいにはバニラ、ダークフルーツ、バタースコッチがバランスよく感じられるとのこと。そして、フィニッシュにはリックハウスフロアの香り、ベーキングスパイス、ブラックペッパーの余韻が長く続くと言われています。
超プレミアムバーボンとしてリリースされたイーグルレア25年は、50年熟成のマッカランや65年熟成のグレン・グラントといった超高級シングルモルトと競合する商品として位置づけるとバッファロートレースは見解を発表しています。
さらにサゼラック社のマーク・ブラウン会長は、この実験はアメリカン・ウイスキーの未来を切り開くチャンスだと考えているようです。
というのもバッファロートレースでは、さまざまな熟成年数のウイスキーの熟成実験を続け、比類ない滑らかさを提供する若いウイスキーも製造する予定だからです。ブラウン氏は声明の中で「非常にスムースな7年熟成のウイスキーを製造できるかもしれない。」と語っています。
イーグルレア25年は200本のみリリースされ、それぞれ手吹きクリスタルのデキャンタとディスプレイボックスに封入されます。希望小売価格はそれぞれ10,000米ドル。
ニューヨークやロサンゼルスなど、全米の主要都市で販売されると予想されていますが、流通については明らかにされていません。
スコッチもバーボンもオールド至上主義が横行していますが、こういった実験でとんでもなく美味しいものが生まれることを期待します。