『スパイス系』ウイスキーは、爽やかな刺激が感じられるウイスキーです。
さっぱりとした香りのため、涼しげな気分を味わうことができます。
ウイスキー自体に香辛料が含まれているということではなく、切れ味よく、爽快なフレーバーでなことから『スパイス系』と呼ばれます。
ウイスキーを口に含み、鼻から息を抜くとその表現が実感しやすいので飲む際はどうぞお試しください。
よく使われる味と香りの表現
『スパイス系』ウイスキーに使われるフレーバー表現には以下のようなものがあります。
わかりにくいものだけ説明をいれていきます。
◆ショウガ
ショウガというとおろしショウガの味をイメージする方もいるかも知れませんが、ウイスキーのフレーバーとして使われるショウガはジンジャーのニュアンスに近いです。
モスコミュール・カクテルに感じる喉元あたりをピリっと刺激する薬味に似た香味です。
◆シナモン
生八つ橋を想像してもらえばわかるでしょうか。シナモンの和名は『ニッキ』です。甘い芳香ですが、口に含むと舌は辛い刺激を受けます。
フレーバーの表現としてはアップルパイや、焼きリンゴ、スイートポテトなどの上にかかっているローストされ、温められたシナモンの香りです。
◆クローブ
あまり聞き覚えがなく、嗅ぎなれない香りかもしれませんが、ウイスキーテイスティングの表現では多い印象です。
肉料理や焼き菓子、カレーなどにも入っている香辛料で、このクローブの精油は丁子油と言います。刺激が強く、薬臭さがありますがバニラのような甘さも感じられます。インドネシアではタバコにも利用します(ガラムの香り)。
◆黒コショウ
舌で感じる味よりも、鼻で感じる香りに重きをおいた表現です。ペッパーミルでブラックペッパーを砕いた時に感じる微粒状の鼻を刺す刺激を黒コショウと表現します。実際に黒コショウの味がするわけではありませんが、疑似的に感じるためにこう呼ばれます。
◆塩辛い(潮っぽい、ソルティーな、ブリニー)
ウイスキーに塩分が溶けているわけではありませんが、塩と錯覚する刺激的な香りや海水のフレーバーが感じられるます。舌の上で塩が溶けた後の甘じょっぱい風味です。塩でなく、”潮”と表現する場合もあります。いわゆる海流のことですね。このブリニーのイメージは嗅ぐとわかるのですが、本当に海の香りがします。どこか懐かしいような、海水浴場のような匂いです。オーツカはタリスカーを飲んで理解しました。
『スパイス系』がわかる!おすすめの銘柄
スコッチの島モノと言われる『アイランズモルト』やスプリングバンク蒸溜所が有名な『キャンベルタウンモルト』には塩辛さやスパイシーさがわかりやすいものが多いです。
わたくしオーツカは、ラフロイグやアードベッグなどのピーティーで”正露丸の香りがする”と称されるアイラモルトを飲むひとつ前のステップにこのあたりを飲んでおくと良いと思います。(他にはオールドプルトニー、インチガワー、バンフなどでしょうか)
『スパイス系』ウイスキーをよりおいしくする飲み方
この刺激的な『スパイス系』は、濃い目のハイボールや水割りにすることで、食中酒として抜群の活躍を見せます。
特に魚介類、あさりの酒蒸しや、じゃがバターにいかの塩辛を乗せたものなど、塩辛いものと食べると抜群に美味しいです。
他にも文字通りスパイスを効かせたチキンウイングやスパイシーポテト、海老のから揚げなんかも最高です。
ウイスキーを食中酒としての嗜む習慣はあまり日本人にありませんが、是非この潮風を感じさせてくれる『スパイス系』を勉強するときに食事とのマリアージュを楽しんでみてください。
他にも色々なテイスティング表現があります。以下の記事を参考にしてみてくださいね。
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