マッカランが時間外労働で組合に訴えられそうです。
エドリントンにあるふたつの工場で働く300人以上の労働者（ザ・マッカラン蒸留所を含む）が、時間外労働に対する賃金紛争を理由に、GMBによるストライキ投票を行うようです。
ついこないだマッカランが2021年に設立した基金から、製造業者へ助成金を出すことでニュースになったのに、次はストライキか。。。
マッカラン蒸溜所は2021年に設立した基金から、鋳造や硝子製造の会社に260,000ポンド助成金を提供します。
これは職人見習いを雇うためのお金でスコットランドのAlexander Manufacturing社、Glasstorm社、Powderhall Bronze社、およびロンドンを拠点とする Shepherds Bookbinders社など4社に送られました。
各社この支援で職人見習いを雇ったり、実習生を訓練する予定です。
マッカラン基金は「次世代の雇用をサポートするために、伝統的な工芸品、取引、スキル、および価値観を保存および保護する」ことを目的としています。
労働組合であるGMBスコットランドは、グラスゴーに本社を置くエドリントン社に対し、数ヶ月にわたる協議、助言・調停・仲裁サービス（Acas）のプロセスを経て、投票に関する法定通知を行いました。
GMBによれば、この争議は、時間外労働時間に対するシフト手当率に合意できなかったことに起因しているようです。
組合員は、基本給を支えるために、インフレ率を「大幅に上回る」交代勤務手当を求めています。
これは、「過去40年間で最も高い生活費と、1年にわたる所得と家計の圧迫」を背景にしている、とGMBは述べています。
同組合は、スコットランドのグラスゴーにあるエドリントンのグレート・ウェスタン・ロード施設と、モレー州クレイゲラヒーのイースター・エルキーズにあるザ・マッカラン蒸留所の2カ所の労働者に投票を行っています。
GMBは、投票は3月1日から22日まで行われ、ストライキは4月に開始される可能性があると述べました。
GMBのオーガナイザーであるデイビッド・ヒューム氏は
「この投票は経営陣の慢性的な横暴に対するダイレクトな反応であり、エドリントン全体の仕事をより良くしたいという彼らの願望を明確に示すものである。深く遺憾に思う。」と述べました。
ヒューム氏は、ザ・フェイマスグラウス、グレンロセス、ハイランドパークなどのブランドを所有するエドリントン社は、財政的に「健全」であると指摘。
エドリントンの2022年3月期の売上高は45％増の8億2120万ポンド（9億8880万米ドル）でしたから、まぁその通りでしょう。
「昨年のパンデミックから増収増益で見事に立ち直り、役員や株主はその恩恵を豊富な報酬と配当金で受け取っています」とヒューム氏は付け加えます。
「この回復力と復興は、従業員のみなさんが日々生産するプレミアム・ブランドによって支えられているのです。スコットランド全土の組合員はこの成功の支柱であり、彼らの労働条件において公正な報酬を享受するのは当然のことです。
上層部が、この多大な貢献を認識していないことはとても悲しいことです。製品の供給を維持するために、労働者への適切なシフト手当を示すべきでした。私たちが話しているのは、昨年生み出した売上と利益からすれば、大海の一滴程度のものなのです」。
これに対し、エドリントン社は、「我々は少なくとも27.8％の賃上げを提示した」と述べ、労働者に争議行為を拒否するよう呼びかけを行いました。
エドリントンの広報担当は、「シフト手当に関しては、Acasでの協議を含む長期にわたる交渉の末、GMBが組合員に労働争議への投票を決定したことに失望している」と述べました。
そして「新しいシフト制に移行したGMB組合員の収入は、16カ月前と比較して最低でも27.8％増加することになります。
我々は提案されている争議行為を拒否します。そして、さらなる公正で競争力のある賃金協定を締結するための交渉に、従業員一同参加するよう強く要請します。」とも述べました。
エドリントンは一応収入を上げることには同意しているみたいですね。
GMBとは？
GMBはスコットランドの運動する労働組合。
「どこで働こうが、何をしようが、現在と将来の労働生活の保護・進歩・繁栄が私たちの使命である」ことを掲げる。
スコットランドの主要経済部門の多くで組合員の利益を守るために運動を展開しています。
介護から議会サービス、ガス・公共事業から造船、ウイスキー蒸留所からスーパーの店頭に至るまで、GMB組合員は職場で働いています。
