ハイボールに唐揚げ、餃子、ストレートウイスキーにチョコレート、バニラアイス。
これまで様々なウイスキーの食べ合わせが語られてまいりました。
BARRELでも
など色々なマリアージュを考えたり、ウイスキージュレを作ったりと、実験的な記事もたくさん作りました。
ウイスキー×焼き菓子の新しい世界
そしてこのたび、広島の大人気パティスリー「muk」さんとコラボして
ウイスキーに合う最高の焼き菓子
を作るに至りました。
シェフはソムリエの資格も有しており、洋酒、日本酒問わず、お酒への造詣がとても深い方です。
ウイスキーもよく嗜み、東京にいた頃は杯を乾かす仲でした。
彼らとならウイスキー愛好家も納得する、おいしいお菓子がきっと作れると思ったのです。
発売は本日11月17日の19時~です。
ぜひ食べて見てね。
「muk」は僕が焼き菓子にハマるきっかけをくれたパティスリーでもあります。
「香り」と「食感」を大切にし、まるで生菓子のような新鮮な焼き菓子をつくります。
はじめてそのコンセプトを聞いた時、「焼き菓子に香り?」と思ったものですが、ひとたび口に入れると、口内で広がる繊細でやわらかな風味は、これまで僕が食べてきたどの焼き菓子とも違いました。
ほどよい甘さと食感は、毎日食べても飽きのこない、普遍的な魅力を持っていたのです。
純粋な焼き菓子で勝負したい
ウイスキー関連のイベントやフェスを訪れた際、「ウイスキーを使った焼き菓子」は多く出品されてきました。
試食する度、チョコレートは比較的ウイスキーの個性を残しやすいが、焼き菓子は難しいと感じていました。
ラムやグランマルニエ、ブランデーなどと違い、ウイスキーは熱や油を加えるとほとんどの個性や風味は消失してしまいます。
そのため使用するものはフレーバーの強いアイラモルトやどシェリーのウイスキーに偏る傾向がありました(アードベッグやラフロイグ、マッカランといったブランドネームが購買に繋がるといった理由もあります)。
そのため今回の作品では、ウイスキーを混ぜ込んだりはせず、純粋に焼き菓子とウイスキーのマリアージュを考えて製造することにしました。
試行錯誤の末、ダックワーズにたどり着く
ウイスキーと食べ合わせのよい焼き菓子完成にむけ、試行錯誤の日々が続きます。
他店の商品も含め、1年かけあらゆる焼き菓子をウイスキーと食べ合わせていきました。
ウイスキーに合う焼き菓子は、甘さよりも塩味が重要になってきます。
mukの焼き菓子はどれも文句なくおいしいですが、看板商品はシュークリーム、フィナンシェ、ガレットブルトンヌです。
中でもガレットブルトンヌは塩味も強く、第一候補ではあったのですが、第一弾はダックワーズをベースにすることにしました。
これには理由があり、ベースのダックワーズ生地さえ完璧に作ってしまえば、サンドする素材によって味わいを変えられると思ったからです。
サンドする素材を発売時期によって旬のものにも変更できるので、このカスタマイズ性は強みになると踏んだのです
ウイスキーへの愛と欲望を詰め込む
素材や製法のこだわりは販売ページで確認できますが、今回は完全にウイスキーに特化した作りになっています。
ざっと説明すると
- 生地にモルトエキスとモルトパウダーを練り込む
- 高温で空気の層を作ってから低温で焼ききる
- ゆっくり溶けるブロック状の発酵バターを使用
- 口どけの早いメレンゲベースのバタークリームも使用
- スコットランドスカイ島のシーソルトを使用
- 北海道産のこし餡は甘さ控えた仕様に
- 冷凍時間をキッチリ測り水っぽさを抑える
発酵バタークリームとこし餡は、とてつもなくウイスキーと合います。よくバターサンドなどをチャームにだしているBarもありますね。
それだけでなく、バタークリームの形状を二種類にすることで、食感にひと手間加えました。
スコットランドのシーソルトは精製度が低く。バタークリームとこし餡の味わいを高めます。
生地は完全なるウイスキー仕様。
アーモンドと二条大麦粉を使ったものにモルトのエキスとパウダーを練り込みました。
「へぇー、なんかこだわって作ってるっぽいし、旨そうだな」と思ったそこのあなた!
その想像の二十倍くらいうまいですよ!
どんなウイスキーと合わせるか
上記の素材を見ておわかりのように、ウイスキーで感じやすいフレーバー(モルティ、オイリー、塩味)と熟成感(発酵バター)を盛り込んだ作りになっています。
ブレンデッドスコッチやジャパニーズ、少しスモーキーな性質なシングルモルトとは合わせやすいと思います。
バランタイン、ジョニーウォーカー、フォルムザバレル、ハイランドパーク、タリスカー、ラフロイグなど、スタンダード品で十分楽しめるように設計してありますので色々試してみてください。
愛好家やバーテンダーはこんな銘柄と合わせている
先週末にオーツカさんから
『夜の焼き菓子』のサンプルが届いていたのだ!包みからシールから説明書きももういちいちかわいい(*´`)︎💕︎
ねこちゃんだし!
実食のタイミングがつかめなかったけど、昨夜ようやくいただきました。
続く⬇ pic.twitter.com/mBI1TkynKz— masumi (@karinn72) November 14, 2022
KYKEY/BARRELのオーツカ(@BARREL365 )さんの新企画#夜の焼き菓子
https://t.co/w12cQtr69F
発売前にサンプル頂きました!
ウイスキーに合うダックワーズはスモーク系にもシェリー系にもモルト香強めでも楽しめて一個じゃ足りないんで追加お願いしたいっ
てか追加します(。・ω・。) pic.twitter.com/MBK9uFFgE3— BAR レモン・ハート&酒屋BARレモン・ハート (@BarLemonHart) November 16, 2022
#夜の焼き菓子
サンプル頂いたので試食
パサつきのない生地の厚いクッキーのような食感に、クリーム部分は上品で儚く消えていくから追いかけたくなり手が進む。
旧ラフ18年と合わせたが、ウイスキーのお供でこれだけ相性良かった食物は歴代2位
麦とピートの印象がつよいウイスキーがオススメ pic.twitter.com/cjBvBH2lv1— 天心飯 (@tensinhangyoza) November 12, 2022
ウイスキーをもっと楽しくするプロダクトブランドKYKEYさんと、広島のパティスリーmukさんがコラボした#夜の焼き菓子
17日19時から発売開始だそうです
これは今後もいろんなのやってほしいー!https://t.co/g5MTNKZ3n0 pic.twitter.com/y20bJwFHaj— ウイスキーボトルをひたすら描く (@whiskeybottlesi) November 14, 2022
ぜひみなさん、お手持ちのウイスキーやBarで試してみて、どんなウイスキーが合うかを教えてください。
混沌とした昨今ですが、おいしいお菓子で一息つきましょう
原酒や材料不足、ウクライナ危機などで価格高騰が著しいウイスキー。
SNSではレアボトルを血眼になって探している方々も散見され、なんだかさみしい気持ちになってしまいます。
争奪戦に次ぐ争奪戦。
BARRELを立ち上げた6年前はもうちょっと平和だったような気がするなぁ。
高級なウイスキーじゃなくても、満ち足りた時間は過ごせる。
もっと大らかな気持ちで、お酒と一緒に楽しい夜を迎えて欲しい。
そんな思いを込めて作りました。
おいしい焼き菓子でほっこりしてくれると幸いです。
なお、「夜の焼き菓子」と称した今回の商品はシリーズ化していく予定です。
みなさんがびっくりするようなおいしい焼き菓子、これからも作っていきたいと思います。
ぜひウイスキー沼だけでなく、焼き菓子沼にもハマってみてください。
とてもおいしいもの、とんでもなくまずいもの、色々とありましたが、中でもスイーツとの相性は抜群でした。
いつか自社の商品としてウイスキーとマリアージュする食べ物をリリースしたいと常々思っていました。