ディアジオが米国市場に新たな足がかりを築くため、テキサス州の人気蒸溜所「バルコネズ(バルコーネズ)蒸溜所」を買収しました。
買収金額は非公開。
2007年にテキサス州ウェーコ市に設立されたバルコネズですが、テキサスで台頭したウイスキームーブメントの火付け役と言っても過言ではないブランドですね。
特にスーパープレミアムと言われる高級価格帯のラインナップが強力で、テキサス産の麦芽大麦やローストしたブルーコーンなど、高品質な地元産の原材料を使用し、個性豊かなウイスキーを生産しています。
バルコネズ蒸溜所のここがすごい!
設備が自作!
マスターディスティーラーのチップ・テートは相当なこだわりの強い人物で、創業時、橋の下にある古い溶接工場で、蒸留器、コンデンサー、ホットリカータンク、熱交換器に至るまで、あらゆるもの全てを自分自身で製作してしまったのです。
自らが思い描いたこだわりたっぷりの蒸留所、それがバルコネズなのだー。
世界的に高い評価
これまで様々なアワードを受賞しており、その数は40以上にも及びます。
地元テキサスにこだわり続けた商品は、現在では7種類のテキサススピリッツとして世界各国で高い評価を受けています。
2012年のウイスキーマガジン アイコンズオブウイスキーにてクラフトディスティラリーオブザイヤー獲得しています。
まさにテキサス州の秩父蒸溜所
アメリカでは1,000近いのクラフトディスティラリーが生まれていますが、原材料から厳選し、少量生産のハンドクラフトトラディショナルにこだわっている蒸溜所は稀です。
昔の製法に則り、直火でのディスティリングを行う数少ないディスティラリーです。
ディアジオ・ノースアメリカ社長のクラウディア・シューベルトは
「私たちは、Balcones Distilling社をディアジオ社に迎えることができ、大変嬉しく思っています。
バルコネズのチームは、新興のアメリカン・シングルモルトとテキサスウイスキームーブメントにおける真の革新者でありパイオニアだと思っています。
彼らのスーパープレミアムウイスキーは当社のポートフォリオと非常に相性が良いものです。
今後バルコネズチームと協力して、これらの世界クラスのウイスキーのさらなる成長を支援することを楽しみにしています。」
とコメント。
そして、バルコネズの会長であるグレッグ・アレンは、次のように述べています。
「バルコネズは、テキサスの中心で、独創的で本格的なウイスキーを作りたいという情熱に支えられて始まりました。
現在、様々なアメリカン・シングルモルト・ウイスキーとテキサス・ウイスキーを生み出し、受賞歴も増えてきました。テキサスにおけるウイスキー新時代の幕開けに貢献できたことを、これ以上ないほど誇りに感じています。
私たちは、ディアジオ社がその可能性を評価し、私たちの信念を共感していただけたことに感謝しています。
ディアジオがバルコネズの素晴らしいウイスキーをより多くの消費者に届けてくれることを楽しみにしています。」
日本では品切れ中が続くバルコネズですが、ディアジオが入るとなると供給量変わると思います。
短熟でもおいしいテキサスのウイスキー、なんか新しいウイスキー多様性の波が来ている気がするのです。
バルコネズは欧州で人気のイメージで、日本ではそこまででもないかな。
でもすごくクオリティが高いです。
テキサスは非常に気温が高く、ウェアハウス内の温度は40度をゆうに超えます。
エンジェルスシェアは年20%以上(通常の5倍)という、早熟っぷりなのです。