晩酌には欠かせない料理やつまみ。ビールには揚げ物、ウォッカにはキャビアなどの定番がありますがウイスキーの定番をご存知でしょうか?
ウイスキーの定番はハギスやコカリーキ、ブルーチーズやチョコレートとされています。チョコレートはともかくとして、ハギスやブルーチーズは自宅で用意するには敷居が高く、コカリーキに至っては「何それ?」と思う方がほとんどではないでしょうか?
そこで、今回は最も簡単に購入でき、かつ最安のおつまみとも言える「駄菓子」が、ウイスキーとのマリアージュとして成立するか、検証を行いました。。
なぜ駄菓子なのか
どうして駄菓子をチョイスしたのか?と思った方がいると思いますが、今回駄菓子を取り上げた理由は2つあります。
- 値段が安い!どこにでも売っているからすぐ試せる。
私は大学生です。そう、お酒に割り振れるお金が多いとは言えません。
今まで大学で調査をすると同じような意見は多く上がります。「ボロは着てても、心は錦」と言いましょうか?背伸びしてでもウイスキーを飲んでもらいたいものです。 - 食べるまでの準備が要らない。
駄菓子は袋を開ければそのまま食べることが出来ます。
いちいち料理をする手間もなければ、ゴミも楽に処分できることが出来るので、手軽に楽しんでもらえると考えたためです。
用意した駄菓子はこちら
今回の検証を行うにあたり、Barrel編集部から取材費が出たので私の好みで幾つか駄菓子をピックアップしてきました。購入してきたものは以下の通り。
チョコレート系
チョコボール(ピーナッツ、キャラメル)・チョコベビー
すり身系
ビッグカツ、蒲焼さん太郎、タラタラしてんじゃねーよ
酸っぱい系
カットよっちゃん(通称:よっちゃんイカ)
スナック系
ベビースターラーメン、うまい棒
おつまみ系
おやつカルパス
※写真には写っていないものも一部ありますが、ちゃんと試していますのでご安心下さい。
ウイスキーの銘柄と飲み方
今回用意したウイスキーは、全世界で一番売れているスコッチの定番「ジョニーウォーカー 赤ラベル」、そしてライ麦が主体の軽やかでスッキリ飲みやすい、「カナディアンクラブ」を用意しました。
飲み方は、ロックとストレートで試すことにします。水割りやハイボールを試さなかった理由は、人によっては割り方の濃度が違うためです。
チョコレート系駄菓子
はじめに試したのは、チョコボールです。
当初予測ではピーナツとチョコなので、ウイスキーとの親和性は高いのでは?と考えていましたが、結果はあまり合いませんでした。一般的にウイスキーとチョコレートは合うとされているのですが、ものを選ぶようです。
チョコボールは人工的な甘みが強く、ウイスキー自体の苦味を強く感じてしまいます。
ジョニ赤とは合わせられなくはないですが、ウイスキーのつまみにするのは避けたほうが良いでしょう。同じような理由でチョコボールのキャラメルもおつまみとしては向きません。
”大人に贅沢チョコボール、厳選ピーナッツ”というプレミア商品があるようですが、こちらなら甘みを抑えているので行けるような気もしますが……純粋なチョコのほうが良いかもしれません。
単純なチョコなら親和性は高い
もう一つのチョコレート系駄菓子として買ってきたチョコベビーは、ピーナッツやクリスプが入っておらず、チョコの純度が高い駄菓子です。
余計な事をしていないのでウイスキーの相性は良いですね。
その上、手のひらに乗せてもすぐは溶けないので、ウイスキーを飲みながら片手間に食べるには最適と言えるでしょう。量を調整できるのも魅力です。個人的にはロックよりストレートのほうが合っていました。
チョコ系駄菓子はプレーンなものをチョイスすると良いでしょう。
スナック系駄菓子
次に試したのはスナック系菓子のベビースターラーメン。よくビール売り場などにもおつまみとしておいてある為「もしかしたら美味しくいただけるのでは?」と、かすかな希望をいだいていましたが、イマイチ合いません。
やはり醤油ベースだからなのでしょうか?ウイスキーと味が反発しあっているよう感じました。
しかし、これらはロック、ストレートで飲んだときの話、試してはいませんがハイボールなら、合うのではないかと思います。
すり身系駄菓子
突然ですが私は大学近くのアイリッシュパブによく行きます。アイリッシュパブといえばフィッシュアンドチップス。私はウイスキーと一緒に注文し、頻繁に食べます。その経験からすり身系駄菓子とウイスキーの食べ合わせには期待していました。
そしてこれは私の期待を裏切りませんでした。
普通におつまみとしていけます!
蒲焼さん太郎のような味が濃すぎるものは厳しいですが、ビッグカツやタラタラしてんじゃんねーよあたりの味の濃さでしたら相性がよく、美味しくいただけます。特にビッグカツとカナディアンクラブはおすすめで、ビックカツの油分をバニラ香と軽快な飲みくちで、さっぱりと包み込んでくれます。
酸っぱい系駄菓子
今回の検証のダークホースの登場です。
買う前から、一番の難所だと思っていたカットよっちゃん。あの酸っぱさとウイスキーは確実に残念な結果になると、タカをくくっていましたが……
不思議なことに旨い!
実食系レビューの記事なので、感想を上手く書けないのは私の力不足ですが、なんとも言えない妙な旨味があります。
一言で言うとしたら珍味でしょうか?よっちゃんイカをつまんだ後、ジョニ赤を飲むと、スコッチ独特のスモーキーさと、あの酢の風味が絶妙にマッチしているのです!
何度も確認したくなる味なので気がつくとウイスキーが空になってしまいます。ある意味で一番合っているのではないでしょうか?
駄菓子の代名詞、うまい棒はいかに?
駄菓子といえば皆さんご存知のうまい棒。もはや駄菓子の代名詞的存在とも言える商品なので、この検証でも外すわけにはいきません。
今回はうまい棒の中でも一番メジャーなコーンポタージュ味をチョイスしました。
検証前は「カットよっちゃんほどとは言わないけど、コーンポタージュも合わないだろうなぁ」と思っていました。ですが、カットよっちゃんに続いて、こちらも想像以上に合わせやすいです。
味が濃く、歯触り、舌触りが良いので、アルコールの強さが和らぐように感じます。カナディアンクラブはもともとあまりアルコールの刺激を感じないウイスキーですが、ジョニ赤にまれに感じるエタノールの刺激は完全にシャットアウトされました。
ワイルドターキーの様にもっとパンチの有るバーボンや、スモーキーなウイスキーにも合うかもしれません。
カルパスはウイスキーに合うのか?
お酒売り場にも多数売っているカルパス。その中でも一番小さいであろうカルパスがこの「おやつカルパス」です。一つ10円でありながら、駄菓子の中では珍しい本物の肉を使った珍駄菓子です。豚肉、牛肉をドライソーセージにしたものが一般的なカルパスですが、こちらは鶏肉のようです。それがコストを安くする秘訣かもしれません。
味は普通のカルパスと変わらないため、ウイスキーに合わせても「おつまみだな」としか感じませんでした。
純粋にカルパスなのでこれは当然といえば当然ですね。
あまりに普通で逆にコメントがしづらい程です。
結局どれがいい?
私のおすすめはカットよっちゃんとビックカツです。
カットよっちゃんは珍味的な食べ方が出来ますし、ビッグカツは純粋につまみとしての高いポテンシャルを秘めているのではないかと思いました。
合ったもの、合わなかったものを分類すると、ウイスキーに合うおつまみって比較的脂っこいものが多いのではないかと思います。例えば、今回おすすめしたビックカツやカルパスはもちろん、うまい棒も思ったより油ぎっています。チョコレートも油分が多いですしね。
もちろんカットよっちゃんのように、例外もありますが、駄菓子とウイスキーを合わせるとしたら油っぽいものを狙っていくと良いかもしれませんね。
おわりに
いかがでしたか?
味覚というのは人によってばらつきがある為、この検証結果が万人に合うとは限りません。
しかし、「ウイスキーと駄菓子はまるであわなくない」ということはわかりました。若輩ながら、葉巻やチョコレートなど、ウイスキーに合うとされてきた嗜好品は試してきた私です。
そんな私が5日間かけて検証した結果なので、話のネタや、それこそ酒の肴にでもしていただければ幸いです。