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ノアーズミルを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

ノアーズミルを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

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オーツカ

ざっくり覚える!

アメリカのケンタッキー州、バーズタウンにあるウィレットという小規模な蒸溜所で生産されているバーボンウイスキー。

ウィレット蒸溜所の最大の特徴は大手グループには属さず、今でも少人数、家族経営体制のまま生産しているところ。徹底した「少量生産主義」を貫いており、隅々まで目を行き届かせながら高品質のハンドメイド・プレミアムバーボンをつくることを常々心がけているのです。

ロンドンの「ワイン・インターナショナル」誌で高い評価を受け、2011年にはサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションで最高金賞を受賞。その品質の良さは世界中のウイスキーファンから認められています。

ノアーズミルは「ノアの水」という意味。

スモールバッチならではの丁寧なつくりでソフトでバランスが良くエレガント、味の情報量が多い複雑な味わいのバーボンです。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

ウィレット蒸溜所の前身である「ケンタッキー・バーボン・ディスティラーズ社」は、バーボン党であれば一度は聞いたことがある老舗。

ウィレット蒸溜所が90年代に発表したシリーズ「スモールバッチ・ブティック・バーボン・コレクション」はどれも人気で個性があります。

ノアーズミルもそのうちの一つで、ラインナップはケンタッキーヴィンテージ、ピュア・ケンタッキーXO、ローワンズ・クリーク、ノアーズ・ミルです。

ノアーズミルのいいところは甘さと辛み、酸のバランスが非常によくとれているところ。完成度の高さが際立っています。
やや粘性があり、パワフルで骨格も強い華やかなバーボンです。
ブッカーズが好きな方はノアーズミルか、よりドライなピュア・ケンタッキーXOあたりがおすすめ。

現行ノアーズミルのおすすめの飲み方はロック。
氷が解けてもバランスが崩れず、クルミの香ばしさの中にラベンダーがわずかによぎります。

50度後半のハイプルーフバーボンを、品よく飲みたいというときにはノアーズミルがうってつけ。
ただし口当たりがよくスイスイ飲めてしまうので、中盤あたりで飲むと危険です。ロックだとより飲みやすく、もう一杯、さらに一杯と追加してしまいます。

ノアーズミル15年は希少になり、なかなかお目にかかれませんが、バーボン専門店にはあったりします。
18年熟成の原酒も入っている円熟味あるボトルなので、こちらはカットがしっかり施された高級感のあるショットグラスで、ちびちびと愉しみたいですね。

ノアーズミルの発祥と歴史

どこで作られているのか?

ノアーズミルはアメリカ合衆国、ケンタッキー州バーズタウンにあるウィレット蒸溜所でつくられています。

バーズタウンにはいくつか蒸溜所がありますが、ウィレットはその中で最も小規模な蒸溜所です。

ウィレット蒸溜所はカールスビーン家が経営する「ケンタッキー・バーボン・ディスティラーズ社」が所有しており、家族経営による丁寧なウイスキーづくりが行われています。

ウィレットの歴史を辿ると1674年のエドワードウィレットの物語から執筆することになるのですが、これは「ウィレット」の記事で触れるので割愛します。

ノアーズミルの歴史

まず、1936年に「ケンタッキー・ディスティリング・カンパニー」が創業、蒸溜がスタートします(当時はまだウィレット蒸溜所と名乗ってはいませんでした)。創業者はトンプソン・ウィレット氏で、当時まだ27歳という若さでした。

トンプソン氏の家系(ウィレット家)はその昔、フランスでブランデー蒸溜業を営んでいた筋金入りの蒸溜一家で、高度な蒸溜技術をもつ一族として知られています。

蒸溜所はウィレット家が所有する農場に建てられました。
創業から順調に稼働してきた蒸溜所ですが、70年代に入るとアメリカの環境問題が深刻化。
それに伴い国家環境政策法(National Environmental Policy Act)をはじめとした環境汚染に対する規制が引かれるようになりました。各企業はその対応に追われるようになります。
これに対しウィレット蒸溜所は大気汚染や廃棄物処理など、新たに設けられた規制に対応できず1980年に蒸溜を一時停止を決断します。

その後エタノールの製造へと事業を切り替え、1981年から1983年まで蒸留所を 「Bardstown Fuel Alcohol Inc.」に貸し出していました。

1984年にエヴァン・カールスビーンが買収し、蒸溜所名を「ケンタッキーバーボンディスティラリー」へと改称。
この時点でウィレット家による経営が終わり、代わりにカールスビーン家が経営権を得ることになりました。
その後蒸溜所としては機能しませんでしたが、他社から原酒を購入し、自社で熟成し販売する独立系ボトラーズとしての事業を開始します。

このとき自社製品だけでなく、他社製品の製造だけを請け負うという、OEM生産のようなことも行っていたそうです。

ノアーズミルもこの事業展開によって生まれたブランドの一つで、原酒はヘヴンヒル蒸溜所から仕入れたものを使用していました。
(一部にはスティッツェル=ウェラー蒸溜所や、バーンハイム、ジムビーム、フォアローゼズなどの蒸溜所のものも使用していたとか)

こうしてケンタッキーバーボンディスティラリー社の経営は軌道に乗り、規模を拡大していきます。

その後同社から

  • 初期のミクターズ
  • ジェファーソンズ
  • オールドポーグ
  • コーナークリーク

など、バーボン党には非常に評価の高いプレミアムバーボンをOEM商品として次々に生み出しています。

ノアーズミルは15年物も販売されていた

こうした企業努力により大手グループの傘下に吸収されることなく、カールスビーン家による家族経営が続けられ、ケンタッキー・バーボン・ディスティラリー社は2012年、蒸溜所としての再稼働を果たします。

再稼働に向けての改修を行っている際に、ビジターセンターとテイスティングルームを設置。
見学はもちろん、希少なプレミアムバーボンの風味をその場で楽しめるようになりました。

またこの改修ではバーボン蒸溜所としては珍しい、銅製の単式蒸溜器(ポットスチル)が取付けられました。

2014年には会社名はそのままに、蒸溜所の正式名称が「ウィレット蒸溜所」に定められ、初のウイスキーがリリースされました。

ちなみにノアーズミルは90年代にリリースされたブランドで、販売当初はバーボンとしては長期熟成の15年ものが販売されていました。

現在15年ものは終売となり、年数表記のないノンエイジボトルへと代わっています。

とはいえ現行のノンエイジボトルも若い原酒だけでなく、長期熟成原酒もしっかりブレンドされる構成になっています。

ジョニードラム

僕の大好きなジョニードラムもウィレットからリリースされています!

ウィレット蒸溜所からは他にも

  • ウィレットポットスティルリザーブ
  • ウィレットファミリーエステート
  • ローワンズクリーク
  • ピュアケンタッキー
  • ジョニードラム
  • ケンタッキーヴィンテージ

など多くのウイスキーがリリースされています。

ノアーズミルの製法

ウィレット蒸溜所が90年代に発表したシリーズ「スモールバッチ・ブティック・バーボン・コレクション

ノアーズミルはウィレット蒸溜所が90年代に発表したシリーズ「スモールバッチ・ブティック・バーボン・コレクション」のうちの一つ。
ラインナップはケンタッキーヴィンテージ、ピュア・ケンタッキーXO、ローワンズ・クリーク、ノアーズ・ミルです。

「スモールバッチ」とは10樽以下の品質の良い原酒を選抜しブレンドする、こだわりの少量生産法。人気バーボン銘柄「ブッカーズ」などでも使われている標語です。ノアーズミルも大量生産では実現できない、味わい深いスモールバッチです。

ちなみにノアーズミルは現在もヘブン・ヒル社から原酒を仕入れており、これを独自熟成させ、ピークに達した数樽だけをボトリングしています。

つまりウィレット蒸溜所でつくった原酒は入っていないということです。

熟成期間は4年~18年とのことですが、現在もこれに当てはまるかは不明。もう少し若いんじゃないかな。

なお、ウィレット蒸溜所が所有するウェアハウスはバーズタウン周辺で最も高い場所に建てられており、ここに吹くさわやかなそよ風がウイスキー熟成に良質な影響を与えていると考えられています。

なお、ウィレット蒸溜所の特徴にもせっかくですので少し触れておきます。

ウィレット蒸溜所

出典©Chris Nelson

ウィレット蒸溜所は単式蒸溜器を使用しています。
単式蒸溜器とはいわずもがな、スコッチウイスキーにおいて一般的に使用されるポットスチルのことを指します。

一般的なバーボンウイスキーは連続式蒸溜機を用いてスピリッツの精製を行います。
もちろんウィレット蒸溜所でも連続式を使用しているのですが、連続式で初溜を行った後、単式蒸溜器を用いて再溜を行っているのです。

これを使用することでエレガントで香り高い、多様性のある風味をスピリッツに宿すことができるのです。
単式蒸溜器はウィレット蒸溜所が再開するための改修工事の際(2012年)、新たに取付けられました。仕込水は蒸溜所の敷地内にある湧き水を使用されています。

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ノアーズミルの種類/ラインナップ

ノアーズミル

こちらは現在販売されているノンエイジのノアーズミル。

今でもスモールバッチで生産を行い、大量生産では造り出すことのできない素晴らしき風味を生み出しています。

香りは豊潤なクルミ、プルーン、レーズン入りのチョコレート、リンゴジュース、品のあるエステリーさ。
中盤からはバニラ、僅かなミント、松ヤニ、ほんのりワクシー。

味わいは濃厚なバニラカスタード、レザー、赤く熟したリンゴ、ダークベリー、マスクメロン、後半にビターチョコの余韻。

フルボディ、ハイプルーフでスパイシーな味わいのボトル。

鼻腔に残るウッディな余韻は非常に長く、他のウイスキーを寄せ付けない強烈なもの。

色々なウイスキーを楽しむのであれば最後にチョイスすべきボトルかもしれません。

2011年にSWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)で最高金賞であるダブルゴールドメダルを受賞した他数々の輝かしい評価を得た素晴らしき味わいのブランドです。

ノアーズミル 15年

こちらは以前のスタンダードボトル、15年以上熟成した原酒を使用しつくられたノアーズミルです。

現行のノンエイジボトルよりも長熟の原酒を使用しているため、よりコクがあり、まろやかで深い味わいが楽しめます。

香りはリンゴのコンポート、熟れたイチジク、オレンジピール、ブランデーをかけた夕張メロン、木酢。

味わいはとにかく濃厚、イチジクとダークベリーのミックスジャム、焦がしたパン、エスプレッソ、カスタードクリーム。

開封後数年のものを飲みましたが、アルコールの辛味をまったく感じさせない、胸の奥がグッと暖かくなるような豊潤な甘みがありました。

濃厚ですが、粗野で男っぽいウイスキーではなく、気品があり優雅な長髪の紳士といったイメージ。
接着剤のようなバーボン臭さが無いためバーボンが苦手な方や女性にもおすすめできる1本でした。

 

オーツカ

ウィレット蒸留所といえば、1940年代にオールドバーズタウン、1960年代にはジョニードラムといった数々の銘酒を産み出した蒸溜所です。

スモールバッチコレクションはどれもフルボディでおいしいウイスキーが多いです。お試しあれ。




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