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イーグル・レアを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

イーグル・レアを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

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オーツカ

ざっくり覚える!

イーグル・レアはアメリカのケンタッキー州でつくられているバーボンウイスキーで、1970年代半ばにリリースされたブランドです。

もともとはシーグラム社がワイルドターキー101を打倒すべくリリースした商品でした。

ライ麦比率が10%かそれ未満とされるロウ・ライ・マッシュビルでつくられており、ベンチマークやバッファロートレース、コロネルEHテイラー、ジョージ・T・スタッグなどと同じです。

バーボンのスタンダードボトルは通常4年〜5年でリリースされるところイーグル・レアの熟成年数は10年とかなり長熟です。

また厳選された樽から選び出された原酒が使われているため、同蒸溜所のベンチマークやバッファロートレースよりもランクが上のプレミアムバーボンという位置づけになります。

長期熟成からくる豊かなコク、厚みのある味わいには世界のウイスキーファンならびに日本のバーボンマニアからも定評がある銘柄です。

現在はフランクフォートにあるバッファロートレース蒸溜所でつくられ、サゼラック社にて販売を行なっています。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

アメリカの国鳥である「イーグル(鷲)」に「レア(稀・希少)」を冠したバーボン党にも人気のブランド。

スペック的にはバッファロートレースのひとつ上のブランドになるのですが、そこまで高価格帯ではないのでバーボンビギナーにも強くおすすめしたい一本です。

骨格の太い大胆なフレーバーが魅力で、ウイスキーを飲み始めのころに体験すると一気にバーボン党になるほどの強い魅力を秘めているボトルです。

ストレートでじっくりと、テイスティンググラスを使って飲むことをおすすめします。

その後はショットグラスでストレート。アルコールの立ち方、苺ショートケーキのようなアロマにかなり違いがあります。

さらにロックで飲むと、フルーティさが増し、ソフトな酒質なのがわかります。

ハイボールはレーズンや柑橘のフルーツフレーバーが強く感じられますが、料理にはあまり合わないと思います。

バーボンはともすると味わいが一元的に感じられてしまって、スコッチなどに比べると差異がないように思えます。
バニラやキャラメル、木材といった強い要素ばかりが先行してしまって、どのバーボンも同じ味じゃん!となりかねないのですがこのイーグルレアでいくつかのヒントを感じ取れたという人は多いです。
(オレンジピールやハーブ、革、土っぽさなど)

半面、スルスル飲めるメーカーズマークなどに比べると骨格がしっかりしすぎているので、くどくて苦手という人もいるイメージ。

バーボンの味わいをもっと深く知りたいという人はイーグル・レアを試してみると面白いですよ。

ややオールドボトルである101プルーフや15年はバーボン専門店などでよく見かけます。

イーグル・レアの発祥と歴史

どこで作られているのか?

バッファロー・トレース蒸溜所の入り口

イーグル・レアが造られているバッファロートレース蒸溜所は元々「リーズタウン」からスタートして

  1. オールド・ファイアー・カッパー(OFC)
  2. ジョージ・T・スタッグ
  3. シェンレー
  4. ブラントン
  5. エンシェントエイジ
  6. バッファロートレース

といった流れで蒸溜所名がコロコロ変わってきた蒸溜所でした。

リーズタウンの名前で操業したのは1773年!

スコットランドのボウモア蒸溜所が1779年、ストラスアイラが1786年操業ですから、世界で最も歴史の深い蒸溜所の1つといえます。

バッファロー・トレース蒸溜所の樽

現在バッファロートレース、サゼラック・ライ、ブラントン、オールドチャーター、オールドテーラー、ジョージ・T・スタッグ、ベンチマークなど著名なブランドを数多く手掛けており、この他にも他社と連携してリリースしているボトルを数えるとなんと200以上のブランドを手がける大規模な蒸溜所です。

イーグルレアの歴史

このバッファロートレース蒸留所でつくられているイーグルレアは1975年、シーグラム社の時代に発売されたバーボンで、当時は「TEN」と書かれた10年ものの101プルーフ(アルコール度数50.5%)でのリリースでした。ちなみに「シングルバレル」の表記もありませんでした。

当時、オースティン・ニコルズ社が展開する大人気バーボン「ワイルドターキー」の対抗馬ならぬ対抗鳥として製造され、かなり意識された広告も制作されていました。

「CARVE THE TURKEY. POUR THE EAGLE.(七面鳥を切り分けて、かわりに鷲を注げ)」というポスター

「CARVE THE TURKEY. POUR THE EAGLE.(七面鳥を切り分けて、かわりに鷲を注げ)」というポスター

イーグル・レアとワイルドターキーのポスター

1989年、サゼラック社がイーグルレアの商標権を購入。
サゼラックはこの時蒸溜所を持っていなかったため、数年間はヘヴンヒル蒸溜所から原酒を調達していたそうです。
この買収の際には、同時にいくつかのブランドを買い取っています。ベンチマークというバーボンもそのひとつです。

1992年に念願の蒸溜所(ジョージ・T・スタッグ蒸溜所)を買収し、1999年に「バッファロートレース蒸溜所」に改名。製造におけるポートフォリオの見直しや設備の手直しを行います。

イーグルレアはしばらくの間、10年ものの101プルーフのみが販売されていましたが、90年代に日本市場にのみ「イーグルレア15年107プルーフ」を出荷。2000年に限定品の「イーグルレア17年」をリリース。以後17年はバッファロートレース・アンティークコレクションの一部となります。

2005年にはスタンダードボトルの大幅リニューアルが行われ、シングルバレル、90プルーフのスリムボトルに姿かたちを変更します。

これ以降、バッファロートレース蒸溜所はこれまでの伝統的な製法を守りつつ、実験的な仕込みに意欲的に取り組むチャレンジ精神旺盛な蒸溜所へと進化しています。

その意志の現れが翌年の2006年から現在まで38種類リリースされている「エクスペリメンタルコレクション」でしょう。

仕込みのたびごとに製造工程をどこか1つ変更し、それが最終的なバーボンの仕上がりにどのような影響を及ぼすか、テイスティングで確かめるというもので、実験用に建てられた「ウェアハウスX」にて寝かせられた原酒を使用したシリーズ。

同ハウス内では温度や湿度、風、日光、などの環境条件で原酒がどのように変化するのかモニター可能で、実験用の樽はなんと30,000丁ストックされているそうです。

原料として用いる穀類の配合はもちろん、樽に使われる木材の種類や大きさ、さらには1本の木の上部と根に近い部分の木材で別々の樽を作って比較したこともあるそうです。

最近では赤外線を照射したバーボンを発売し、マニアたちの舌を唸らせています。

このぶっ飛んだスケール感、そして発想はバッファロートレースならでは…といえます!

イーグル・レアの製法

イーグル・レアのシングルバレル時代のロゴ

バッファロートレースを代表するバーボンであるイーグル・レアのマッシュビルはコーン80%,ライ10%,大麦麦芽10%。

バッファロートレース蒸溜所ではこの構成比率を”ロウ・ライ・マッシュ”と呼び、ベンチマークやバッファロートレース、コロネルEHテイラー、ジョージ・T・スタッグなども同じマッシュビルでつくられています。

蒸溜器はビアスチル、ダブラー、連続式蒸溜機、ケトルなど様々なタイプが設置されており、これを使い分けて各ブランドのスピリッツが精製されます。

14棟あるウェアハウスは外気をたくさん取り入れられるよう全てオープンリック式で、レンガ造り、石造り、金属と3タイプ存在しています。
建物の造りによって熟成が異なるため、様々な原酒の造り分けが可能となっています。

熟成樽と一緒に並ぶイーグル・レア

また全てのウェアハウスにはヒーターが導入されており、室温13℃以下になると自動的にヒーターが入るように設定されています。

ちなみに熟成庫の上部と下部には温度差があり熟成にはかなり差が生じます。
定期的に樽の位置を入れ替えたり、そのまま寝かせたりと原酒の熟成度合いを調整しています。

最上部はバーズネスト(鳥の巣)と呼ばれ、最も温度変化があり味に変化が起こりやすいと言わています。
鷲の巣を彷彿とさせるがごとく、ボトリングされたイーグルレアはまさにその「バーズネスト」を通過し生み出された原酒なのです。

イーグルレアのボトリング

出典© Jim West

イーグル・レアの原酒は蒸溜所の所有する40万丁あるストックの中から、わずか0.01%にあたる10年以上熟成させた35~45樽から厳選されます。

1樽ずつじっくりテイスティングを行い選定、ブレンドしてアルコール度数を45%に調整してボトリング。

イーグル・レアはバッファロートレースとほぼ同じ製法で造られていますが、決定的な違いは熟成樽の選定。
バッファロートレースは8年以上、イーグル・レアは10年以上の原酒が選ばれ、使用されます。

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イーグル・レアの種類/ラインナップ

イーグル・レア 10年

日本でも人気の商品、10年もののイーグル・レア。

フラッグシップボトル的なラインナップとなります。

香りは軽い穀物、少し焦がしたハニートースト、タバコ、トロピカルな完熟バナナ。

味わいはドライでフルボディ。
バナナケーキや枝付きレーズンの濃厚な甘みとアーモンドチョコの香ばしさ、後半にシナモン、ウッドスパイス。

ボトル(瓶)は日本で製造された特注品となり、風味・外観ともに拘りが感じられる一本です。

2014年頃から「シングルバレル」という表記がなくなったのですが、これはバッファロートレース蒸留所に高速ボトリング・ラインが導入されたことに由来するそうです。

ボトリングの過程で樽を切り替える際に、ふたつの異なる原酒が混ざり合うボトルが出てきてしまう可能性があるということなのでシングルバレル表記を削除したとのこと。味わいに違いはないと思います。

イーグル・レア 17年

イーグル・レア 17年

バーボンといえば4年、長くても7〜8年熟成のものが一般的ですが、こちらはなんと17年という長熟なラインナップ。

限定品として2000年にリリースされましたが、以後17年は「バッファロートレース・アンティークコレクション」の一部となって販売を継続。

香りはローストしたアーモンドの香ばしさ、黒糖、アプリコット、赤ワインなどのフルーティさを纏った甘み。紅茶の茶葉やバルサミコ酢のような酸味。

口に含むとどっしりとしたボディ、リッチでシルキーな口当たり、味わいはバタースコッチ。削った木材、トフィー、黒糖ワタアメ、レザー、リコリス、バニラエッセンス、後半にブドウ、シナモンなどのスパイス感も。

スタンダード10年とは比べ物にならないリッチで複雑、とてもバランスに優れた骨太で重厚感のあるフレーバー。

ただし高い(笑)!
2010年くらいは2万円程度だったと思いましたが、気づいたら倍以上になっていました。

イーグル・レア 10年 101プルーフ

すでに終売してしまった101プルーフの10年です。

香りはキャラメルポップコーン、バニラ、ブラックベリー、木くず。粘性を感じさせるアロマでねっとりとマイルド。状態もあるがやや埃っぽい。

味わいは強いオークとダークフルーツ(デーツか?)、溶けたキャラメルにシナモン、バニラが広がり喉奥でオレンジピールも感じる。

少しハーバルなフィニッシュが暖かく、長く続く。豊満でリッチでメロウ。

当時シーグラム社が所有していたオールドプレンティス蒸留所(現在のフォアローゼズ蒸留所)の表記があります。

ケンタッキーローレンスバーグ表記のものが最も古く、オールドボトルマニアに最も人気がありますが、テイスティングしたのは90年代のものなのでフランクフォート表記だったかと思います。

思い出補正は入っているものの、バーボンは時間が経過すると円熟味が増すと教えてくれる一本です。

オールドバーボンに強いバーや、楽天やオークションなどでたまーに見かけます。

イーグル・レア 15年 107プルーフ

こちらは15年もののイーグル・レア。

日本限定販売でリリースされていた限定商品でしたが現在は終売となっています。

香りはラムレーズンアイス、アンズ、木の皮、どことなく白粉のようなオリエンタルな香りも。

味わいも香り同様甘みがメインですが後半になめし皮、バナナの皮の渋み、古いオークの家具、強烈なウッドスパイスなどが現れ長い余韻へと続きます。

加水すると香りが開くのでノンステアのロックなどで楽しむと面白そうです。

こちらもバーボンに強いバーや飲食店、オークション以外では手に入りにくい逸品。

ダブル イーグル ベリーレア

カスタムクリスタルデキャンタに包まれた20年熟成のイーグルレア。

クリスタルガラスで作られた鷲はストッパー以外にも、なんとボトルの中に潜んでいます。

内容量750ml、アルコール度数45%。ロットナンバーがつけられた手書きの手紙がついています。

編集部は未飲のため公式のテイスティングノートを貼っておきます。

香り:バニラ、トーストしたオーク、キャラメルのヒント。

味わい優雅に熟成されたオークのフレーバー。暖かいフィニッシュ。

こだわりのプロモーション動画もあるので、貼っておきますね(笑)

 

オーツカ
アメリカではめちゃめちゃ流通している定番の商品で、かなり安いんですよね。
日本では5000円近くするし、バッファロートレース蒸溜所が出す限定シリーズ(17年とか)はとんでもない価格でやりとりされてますからね。

向こうでは限定品も日本よりは容易に手に入るので、個人輸入に興味がある人はおすすめします。




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