シュピゲラウのコラボレーションシリーズ「ウィルスバーガーシリーズ」。
もともとはハンドメイドの超プレミアム商品でしたが、30周年を祝してマシンメイド化。
リーズナブルになりご家庭や個人店でも使いやすくなりました。
これまでブランデー用、ウイスキー用とレビューしてまいりましたが、今回は「ダイジェスティブ」のグラスをレビューしていきます。
シュピゲラウブランド紹介
【世界中のプロフェッショナルが愛用する圧倒的な耐衝撃性と耐久性】
南ドイツの美しい森奥深くにたたずむバイエルン地方シュピゲラウ。
この小さな町で1521年に誕生した『シュピゲラウ』は、約500年もの歴史の中で培われた技術と最新テクノロジーを融合し、高品質なガラス製品を作り出しています。
鉛を含まず、上質で薄いガラスを作り出す「吹きガラス製法」により軽量感をアップし、製造工程に使用するチューブにプラチナを採用した「プラチナ製法」で耐久性を向上させました。
1,500回の繰り返しの洗浄テストにも耐える強度と永く美しい輝きを保つシュピゲラウは、世界中の五つ星ホテルやレストランのプロフェッショナルにこよなく愛され続けています。
シュピゲラウの<ウィルスバーガーアニバーサリー>
国際的なワイン雑誌「Gourmet」において写真撮影を担当し、料理評論家としても活躍するウィルスバーガー氏と、ドイツの名門グラスウェアブランド、シュピゲラウのコラボレーションから生まれた、ウィルスバーガーシリーズの30周年を記念して作られたグラス。
ウィルスバーガーシリーズは、1982年の発売当時、職人によるハンドメイドで作成されたシリーズで、非常に精巧で複雑な形状が特徴でした。
この繊細な形状をマシンメイドで再現したシリーズが「ウィルスバーガー・アニバーサリー」です。
丸くふくらみを持ったグラスシェイプ、細く長いエレガントなステム(脚)を最新テクノロジーで機械化することによって、大幅なコストダウンを実現。
レッド・クリスタルの品質をより多くの方々にお楽しみ頂けるシリーズとなりました。
写真家/評論家「ヨハン・ウィルスバーガー」
1941年生まれのオーストラリアの写真家、作家。
1975年以降、写真家として、料理、旅行など多くの本を出版。1976年「Gourmet」を出版。四半世紀の間、「Gourmet」はドイツ語圏で最も影響力があり、スタイルを決定づけるグルメおよびワイン雑誌でした。
1982年にシュピゲラウのワイングラスシリーズ「ウィルスバーガー」コレクションを発表。
1991年からはスイス在住。2011年に「文学、科学、メディアにおける文化的トピックフード」でエッカート・ウィッツィグマン賞を受賞しています。
製品のスペックと特長
リム
ウィルスバーガーアニバーサリーシリーズのグラスのリム厚は総じて約0.9mmと薄く、口当たりはとてもいい。
しかしダイジェスティブには他のグラスにはない特徴がある。
それは口径が少しだけ反り返っており「かえし」のような具合になっているところ。
グッとシェイプされ、口径は49mmまで縮められている。
一般的なテイスティンググラスが45mm前後なのでかなりそれに近い。
ボウル
縦に長く、ワイドな幅が特徴のボウル部分。
ブランデー用やウイスキー用に比べると小さいサイズだが、強烈にシェイプされており香りは溜まりやすく抜けにくい構造。
ハーフサイズにも対応できる幅で、30mlが理想的。45mlはやや多く感じる。
大型のグラッパグラスのようなイメージ。
ステム&プレート
この細く長いエレガントなステムこそがウィルスバーガーの魅力。
同じウィルスバーガーアニバーサリーシリーズのブランデー用に比べると重量がないので取り回しはやや楽。
それでも210mmの高さと細いステムは洗浄時に気を付ける必要がある。
スペック/商品仕様
高さ | 210mm |
口径 | 49mm |
底面積 | 72mm |
最大径 | 70mm |
重量 | 140g |
容量 | 200ml(約7oz) |
どんなウイスキーに向いているか
名称の「ダイジェスティブ」とは、体内の消化作用を促進させる食べ物や飲料を指す言葉です。
ダイジェスティブビスケット(全粒粉を使ってつくり、甘味を抑え、やわらかくて消化のよいビスケット)といった名称はみなさんも聞いたことがあるかもしれません。
お酒においては、リキュールやスピリッツなどの食後酒を指して「消化促進」と表現しているようですね。
ブランデーほど香りを開かせる力はないものの、この急カーブしたボウルフォルム。スワリングのしやすさは特筆すべきものがあります。
薄くやや反りかえったリムも好感触で、舌の中央付近にドリンクを運んでくれます。
一見グラッパなどのホワイトスピリッツ用にも見えるのですが、リーデルのヴィノムスピリッツとは異なり、こちらはどのウイスキーにもフィットします。
長熟品で複層的な香りを持つウイスキーをおすすめします。
とてもエレガントなグラスなので気分も上がります。
フレーバーのレイヤーをひとつずつ確認しながらゆっくりと味わってください。
こんなウイスキーが飲みたい!
シーバスリーガル 25年
1909年、当時のマスターブレンダー、チャールズ・ハワード氏が貯蔵庫で25年間熟成した原酒を厳選し、世界初の贅沢なブレンデッド・ウイスキーを製造しました。
このボトルの味わいは高く評価され「ラグジュアリーウイスキー」と呼ばれアメリカニューヨークへ進出するきっかけともなりました。
こちらのシーバスリーガル25年はその当時のボトルを復刻させたもの。
酒齢25年以上の長期熟成原酒のみが実現する深い香り、長い余韻を楽しめる、実に「ラグジュアリー」なボトルです。
白い花を摘むような高貴な香り、瑞々しい青りんご、温かみのあるバニラやハチミツの甘みからヘーゼルナッツの香ばしさ。
味わいは若草の爽快さを伴う麦芽クッキー、ドライフルーツの甘み。
ネガティブな要素は少なく上品で深い樽香が長い満足感を与えます。
現在のシーバスリーガルの最高傑作、この上なく贅沢なウイスキーです。
2015、2016年にインターナショナル スピリッツ チャレンジにて受賞歴があります。
グラスを手に入れたら合わせて買いたい「グラスクロス」をレビューしました!
クリスタルガラス専用の布巾でミクロのゴミや、ケバはもちろん、油性の汚れや指紋跡も残しません。
洗い方や拭き方で気をつけたほうがいいポイントも書いています。
かなり香りを溜め込む性質があり、ウイスキーをゆっくりと酸化させます。