これだけグラスをレビューしてきましたので一番の有名どころも書いておきましょうか。
ウイスキーを趣味にしている方のほとんどがたどり着くであろう超メジャーなグラス。
それがこちら。グレンケアンのブレンダーズモルトグラスです。
ステム部分がなく鉢のような土台を持つチューリップ型のグラスで安定感があります。
価格帯もリーズナブルでウイスキー入門用におすすめ。
グレンケアンブランド紹介
グレンケアン社(グレンケアン・クリスタル・スタジオ)は、スコットランド南西部に位置する都市グラスゴーにて、1981年に創業されたガラスメーカーです。
設立したのはスコットランドのノースラナークシャー、エイドリー出身のレイモンド・デービッドソン。
彼は環境試験技術者のスキルを磨き、主に飛行機部品を扱う仕事をしていましたが、その後、人々との交流に対する情熱から、ガラス食器工場のエディンバラ・クリスタルて販売担当の仕事をするようになりました。
2002年にテイスティンググラスを発売して以来、スコットランドをはじめとする、数々の蒸留所、ウイスキー関連イベントで使用され、多くのウイスキー愛好家に支持されています。
グレンケアングラスの躍進
グレンケアンはスコッチウイスキー業界で外せない存在であり、1,000社以上と取引があります。
その中には英国の船会社であるキュナード・ラインや車のロールス・ロイスのような「優良企業」の名前も含まれています。
20周年を迎え、既に2500万個以上のグラスを販売しており、レアなリミテッドエディションも作っています。
オールドリップヴァンウィンクルファミリーセレクション23年や、ジョニーウォーカー1805・ザ・セレブレーションブルーラベルなどのグラスもデザインしています。
スコッチウイスキーのテイスティンググラスだけでなく「カナディアン・ウイスキー」専用グラスなども製造しています。
こちらはリカー・コントロール・ボード・オブ・オンタリオ(LCBO)および一連のカナダのマスターブレンダーたちとコラボ―レーションして作った作品です。
ちなみに「ホワイトアンドマッカイ」のマスターブレンダーであるリチャード・パターソン氏が最初のグレンケアングラスの誕生に関わっているのですが、彼はコピータばっかり使ってこちらのスタンダードタイプはあんまり使いませんね。
製品のスペックと特長
リム
一般的なグラスと比べると遥かに薄いリム。
こういった薄い飲み口のグラスを使ったことがない場合は、その飲みやすさに圧倒される。
香りが逃げにくいすぼまった口径で、アロマの揮発を抑え、香りを溜め込む性質がある。
ボウル
握るとガラスがかなり肉厚なのがわかる。
広めにとられたボウル空間では、ウイスキーをより多くの酸素に触れさせることができる。
ただ握りやすいとは言えず、液体を覆っている部分に指が触れやすいので、サーブしてからのドリンク温度上昇は早い。
ステム&プレート
ステムというか、もはや鉢。
短くて太いので握り込むように持つことになる。
しっかりとした重みがあり安定感がある。
グラス底面には、「The Glencairn Glass」のロゴが反転して刻印されており、グラスをのぞき込むことで、文字を読み取れるような工夫が凝らされている。
スペック/商品仕様
高さ | 115mm |
口径 | 46mm |
底面積 | 46mm |
最大径 | 66mm |
重量 | 140g |
容量 | 190ml(約6.4oz) |
どんなウイスキーに向いているか
グレンケアン社が数々の一流ブレンダーや蒸留所マネージャーたちの意見を取り入れ、ウイスキーの持つ色合い、香り、味を最大限堪能するために作り出されたウイスキー用のテイスティンググラスです。
どのウイスキーも平均的においしく飲めます。
スタンダードで香り高いものをいただきたいですね。
正直言うと鉢のようなステムはスワリングしにくく、耐久性はあまりないと思います。
ステム部分は強いのですが、どういうわけかリムをチップしやすい。
一見頑丈に見えるので雑に扱っていたのもあります。
スコッチにハマったころグレンケアンを複数個買いしてガシガシ使っていました。
イベントにも持っていっていましたね。
、、、で、たくさん割りました。
そこからたくさんのグラスを買い集めて扱いましたが、ほとんど割ることがなくなりました。
それはグレンケアンをたくさん割って以下のことを学んだからです。
「どんなに頑丈と謳うグラスでも乱暴に扱えば割れる」
「強度が高いという触れ込みは油断を生む」でした。
頑強と謳っているグラスは手軽に安心感を買えますが、気をつけようという意思を奪います。
グラスを扱う際に大切なのは細心の注意を払おうという意思なのです。ババーン。
こんなウイスキーが飲みたい!
スプリングバンク 10年
スプリングバンクのスタンダードボトル。
もともと人気の高い銘柄でしたが、現在は世界的に需要が供給を上回り、2018年の春あたりから値上げになりました。
港町キャンベルタウンの潮風の雰囲気を纏い、それでいてフルーティーな香りの立ち上がりはまさに唯一無二。
香りは潮のそよ風、そしてフルーティー、心地よいバニラ。
口に含むと潮気がまず来て、それから洋ナシタルトのフルーティー、モルトからくるウエハース、ビスコッティのような香ばしさも感じます。
中間にハチミツを感じ、潮とバニラの余韻。
オイリー(油性)さもスプリングバンクならではの特徴です。
スタンダードにして非常に高いクオリティを示すキャンベルタウンの底力を感じさせるボトル。
グラスを手に入れたら合わせて買いたい「グラスクロス」をレビューしました!
クリスタルガラス専用の布巾でミクロのゴミや、ケバはもちろん、油性の汚れや指紋跡も残しません。
洗い方や拭き方で気をつけたほうがいいポイントも書いています。
カナディアンクラブの長期熟成とかこれで飲みたいですね。