二日酔いの典型的な症状には頭痛や吐き気、胃のむかつきなどがあります。
それとともに、めまいやふらつき、耳鳴りなどの症状が現れることもありますが、このような症状が現れた場合では少々注意が必要になることもあります。
今回は二日酔いで起こるめまい、ふらつき、耳鳴りの原因をご紹介するとともに、注意が必要なのはどのようなケースなのか解説していきます。
二日酔いでめまいやふらつきが続く原因と治し方
二日酔いの緒症状は、アルコール成分が分解される際に生成される有害物質・アセトアルデヒドの働きによって起こります。
しかし、めまいやふらつきが起こるとなると、また別の原因を疑う必要があります。
では、その原因とは一体何なのでしょうか?
めまいや貧血は血圧の低下かも
お酒には血管拡張作用があり、血流が急激に早くなると一時的に血圧が下がることがあります。
高血圧もめまいやふらつきの原因になりますが、急激に血圧が下がった場合でも同じような症状が現れることがあります。
この状態が起こると、脳への酸素供給スピードが鈍り、脳の酸欠による脳貧血が起こる場合があるのです。
軽い脳貧血であれば、その場にしゃがんでしばらく安静にすることで徐々に回復します。
ところが、極端な酸欠状態になってしまうとめまいに頭痛が伴い、目の前が真っ暗(ブラックアウト)になることがあります。
この状態は非常に危険ですので、ひとまず他者の手を借りて安全な場所に移動して、頭を下に向けて安静にしてみましょう。
この処置をとれば、時間はかかるかもしれませんが徐々に通常の状態に回復するはずです。
自律神経のバランスの乱れ
自律神経は交感神経と副交感神経に分類され、お酒を飲むと一時的に交感神経が活性化します。
すると、めまいやふらつきだけではなく、動悸や息切れなどの症状が現れることがあります。
特に30代後半以降の方は、普通に生活しているだけで自律神経のバランスが崩れることがあり、飲酒がこれに拍車をかけることがあります。
自律神経は過度のストレスや睡眠不足によって起こることもありますので、これらに心当たりがある方は、なるべくストレスを溜めず、たっぷり睡眠をとることを心がけてみましょう。
脱水症状でもふらつきは起こる
お酒を飲むと水分をたっぷり補給できそうな気がしますが、実は逆で、飲めば飲むほどに体内の水分は尿として体外に排出されていきます。
脱水症状に陥ると、血圧が下がるだけでなく、めまいやふらつきを引き起こすことがあります。
二日酔い喉がカラカラに乾いている、あるいは皮膚が乾燥してガサガサしているなどの症状は典型的な脱水の症状ですので、水やスポーツドリンクなどを飲み、少しでも早く脱水症状から脱出しましょう。
二日酔いのふらつきやめまいはこうやって治す!
二日酔いのふらつきやめまいの大きな原因は、一時的な低血糖や自律神経の乱れです。
つまり、糖質を摂って身体を休めれば、自然に元のコンディションに戻る可能性が高いということですね。
また、二日酔いと脱水症状はワンセットで起こることが多いため、水やスポーツドリンク、野菜ジュース、フルーツジュースなどを多く飲むことも大切です。
しかし、ストレスによる自律神経の乱れが原因の場合では、定期的にふらつきやめまい、耳鳴り、頭痛が起こることがあるため、このような症状に対して個々あたりがある方は、なるべく早めに内科や心療内科などに足を運び、カウンセリングや治療を受ける必要があるでしょう。
とりあえず、「糖質を摂る」「身体を休める」「水分を摂る」といった対策を行ってみていつもの調子に戻れば問題はないはずです。
しかし、なかなか調子が戻らないのなら何らかの異常が起こっている可能性が否めませんので、病院で適切な処置を受けることが大切です。
続く耳鳴りは病気の可能性も…
上記では二日酔い時のめまいやふらつきの原因をご紹介しましたが、それとともに耳鳴りが起こっているのなら、少々注意が必要です。
耳鳴りが起こるメカニズムについては、現在のところはっきりと究明されていません。
しかし、二日酔い時に毎回耳鳴りが起こる、あるいはお酒を飲まなくても耳鳴りが起こりやすいという方は、ひとまず以下の病気を疑う必要があるでしょう。
中耳炎、内耳炎、外耳炎
最も可能性が高いのが耳内部の炎症です。
耳の内部に炎症が起こっている状態であるため、ガサガサした耳鳴りが起こることがあります。
また、耳垢によってこれらの病気を発症している場合では、軽度の難聴の症状が現れることもあるようです。
耳の病気を疑ってみましょう。まずは耳鼻科へ!
ハント症候群
顔面神経麻痺、難聴、耳鳴り、外耳炎、めまいの合併症です。
この病気は帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウィルスが原因となって発症するもので、すべての症状が現れることもあれば、そうでない場合もあります。
この病気は、顔面神経麻痺が初期症状として現れることが多いため、顔を動かしにくい、顔が歪んできたなどの症状が現れたら、できる限り早めに受診しておきましょう。
メニエール病
ぐるぐると周囲が回るようなめまいが起こり、それとともに耳鳴りが起こった場合では、メニエール病を疑う必要があるでしょう。
このような症状が起こってもメニエール病だと決めつける必要はありませんが、頻繁に症状が現れるようであれば早めに受診しておくことが望ましいでしょう。
突発性難聴
ある日突然耳の聞こえが悪くなる病気を突発性難聴といいますが、その前兆として耳鳴りの症状が現れることがあるようです。
突発性難聴の詳しい原因についてはわかっていませんが、万が一症状が現れたら直ちに適切な治療を開始することが大切です。
二日酔いの体調不良はこうやって解消しよう
二日酔い時のめまいやふらつきは、症状が軽ければ座って安静にすればやがて治まるでしょう。
しかし、もともと血圧が低い方や、自律神経のバランスが崩れている方の場合では、この症状が長引きます。
病院にて適切な治療を受けなければならないこともあります。
いずれの場合でも、二日酔いでこれらの症状が起こっているのなら、なにはともあれ水分補給が重要です。
スポーツドリンク、フルーツジュース、野菜ジュースなど、胃に負担をかけにくい飲料で水分を補給しておくことが大切です。
少し前の私の話になりますが、飲んだ翌日に二日酔いになり、ぐるぐると周囲が回るようなめまいの症状を経験したことがありました。
この時には幸い大事に至らず、水とスポーツドリンクを飲んで安静にしていたら、間もなく症状が治まりました。
つまり、私の場合ではアルコール代謝時におけるアセトアルデヒドが、めまいの犯人だったと考えられます。この成分が体外に排出されたあとにはめまいの症状が現れませんでした。
病気は確かに怖いのですが、二日酔いでめまいやふらつきが起こったら、まずはたっぷりと水分補給をして、体調の変化を見守ることをおすすめします。
おかしいと思ったら病院へ!
めまい、ふらつき、耳鳴りともに、脳のすぐ近くで起こる症状だけに油断は禁物です。
特に普段からこれらの症状が起こりやすい方は、それが起こった時点で内科や耳鼻科で検査を受けておくと良いでしょう。
どのような病気でも同様ですが、早期発見・早期治療に努めれば、早い段階で病気を完治することも可能です。
病気を発症してしまったら大好きなお酒も飲むことができなくなりますので、まずは健康を第一に考え、怖がらずに検査を受けておくことをおすすめします。
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